戦闘員、派遣します! 6 感想



こんにちは。今回は2020.09.01に発売となった「戦闘員、派遣します! 6」について書いていきます。

表紙

Overview : 概要

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タイトル戦闘員、派遣します! 6
著者暁なつめ
イラストカカオ・ランタン
出版社角川スニーカー文庫
出版日2020.09.01
ページ数280ページ

「戦闘員、派遣します 6」は当初は7月に発売だったのですが、2回の延期があり、9月に無事発売されました。5巻から8ヶ月、途中このすばの最終巻があったので暁なつめ先生も多忙だったのかもしれません。(あとがきにはそう書いていなかったけど……。)
今回の表紙は5巻で読者の心を鷲掴みにしていった元魔王のバイパーちゃんです。癖の強すぎるキャラが多い中で王道の清楚ヒロインが出てきたら、それはもう人気を掻っ攫っていきますよね。バイパーちゃんが6巻でどのように活躍するのか楽しみです。

Information : 情報

この記事で紹介している「戦闘員、派遣します!」と「この素晴らしい世界に祝福を!」の編集者の方がTwitterを開始されていました。

暁なつめ先生の担当は何回か変わっているようなのでこの方が何代目かはわかりませんが、このすばも含め、制作の裏側なんかを垣間見ることが出来そうです。ちなみにこのツイートの画像は今回のカラーイラストになっています。(黙っていればみんな見た目は一級なんだよなあ……)(バイパーちゃんは中身も良いので除く)

アニメ化!

3月に「戦闘員、派遣します!」のアニメ化が発表されました!

https://dengekionline.com/articles/29389

内容的にはアニメ12話でどのくらい進むのでしょうか。やっぱりバイパーちゃんが登場する5巻まで進めてほしいところですが、昨今のアニメを見るとあまり詰め込みすぎるとアニメの出来が残念なことになりかねないので難しいところですね。
暁なつめ先生の作品がアニメ化されるのはこれで「この素晴らしい世界に祝福を!」「けものみち」に続いて3作目です。商業作品すべてがアニメ化されているなんて本当にすごいですね。コロナの事情もあるでしょうし、アニメの続報は気長に待ちましょう!

Introduction : あらすじ

魔王バイパーが華々しく自爆してからしばらく、ついに商売敵である魔王軍を制圧した六号は――暇を持て余していた。

キサラギ幹部となって熱心に働くバイパーの部屋に入り浸っては、悪の女幹部はエロい格好をするものだと唆す。そんな平和な日常は――隣国のトリスが消滅したことにより一転!?

早速調査に取りかかるアリスと「アジト街のチマチマした仕事より惑星探索がいい」と駄々をこねる相棒六号の新たな冒険が始まる!?さらに、秘密結社キサラギに害をなす、謎勢力っぽい影も見え隠れ!未知なる惑星での陣取り合戦はますますヒートアップ!?異世界侵略コメディ第6巻、新章突入!

本体裏表紙より引用

5巻はバイパーちゃんがキサラギに加入して大団円かと思いきや、隣国のトリスが消え去るという大事件で幕引きとなりました。新章突入と書いてあるように今後どのように物語が進んでいくのか楽しみですね。

Story

プロローグ

一章 異星探索紀行

元魔王のバイパーを始め、スノウやロゼ、グリムといったメンバーと魔族をキサラギ傘下に迎え入れた六号たち。彼らが住むアジト周辺の地理を把握するために、六号、アリス、バイパーの3人は調査へと赴くのであった。

二章 ヒーロー見参?

グレイスの街にキサラギの戦闘服に似た不審者が現れているとの一報を受け、夜の街をパトロールする六号。不審者は白の服を身にまとっており、キサラギの黒の戦闘服とは異なる。六号が夜の街を回っているとその不審者に該当する女が現れる。彼女は「救済の鈍色」アーデルハイト・クリューゲル、通称アデリーと名乗り、自分の正義を信じてやまない厄介な人物であった。

三章 ご近所さんは首狩り族

六号たちが住むアジト街の近くを縄張りとするカチワリ族がアジト街に大群で攻めてきたと思いきや、カチワリ族は意外と紳士的であり、友好関係を築くことに成功する。そこへ、魔族の商人が情報を運んできた。六号が駆けつけると、何かとグレイス王国で問題を起こしていたアデリーが、キサラギの代官を自称していたスノウを捉え悪事を糾弾していたのであった。

四章 VS虎の王!

トリスを支配していると思われるアデリーたちが巨大魔獣をグレイス王国へけしかけてきた。なんとか巨大魔獣をいなすも、トリスから現れた法制機関ヒイラギの部隊が現れ撤退を余儀なくされてしまう。法制機関ヒイラギは六号たちが使うような近代兵器を所持しており、バイパーも傷を負ってしまうのであった。

最終章 悪党共の逆襲譚

防衛戦にて敗北した六号たちはグレイス国内の被害を鑑みてトリスへお礼参りをすることに。天才アンドロイドのアリスが考案した作戦は法制機関ヒイラギに対してどのような被害を与えるのだろうか。

エピローグ

とある国の国宝である魔導石が2足歩行の魔獣に奪われたとのこと。そういえば魔導石を求めて旅に出た怪人がいたような……。

Impression : 感想

6巻は新章突入ということで表紙のタイトルロゴもデザインが変わり、新たなライバル、法制機関ヒイラギが現れました。ヒイラギは秘密結社キサラギの敵対組織となりそうで、グレイス王国がある星の謎に何やら関係している様子。魔王軍編が終わったと思いきや次なる敵が現れました。そして魔王軍はキサラギにとって同業者でしたが、ヒイラギはヒーロー寄りの組織で敵対者になりえそうな存在です。キサラギのヒーローたちへの敵対心は尋常じゃないので今後は激しい縄張り争いが見られそうです。
6巻の感想で触れなければならないのはやはり、ヒイラギ側の人間であるアーデルハイト・クリューゲル、通称アデリーですね。個人的にはあんまり好きではないキャラクターで、自分の信じた正義を疑わずに押し付けている様子が本編で見られます。(スノウについては糾弾されても仕方ない気がするけど)こういうキャラクターはかなりヘイトを集めやすい気がするのですが、暁なつめ先生はヘイトの管理をどのように行っていくのか興味深いところです。暁なつめ先生はこのすばのアクアのヘイト管理にもかなり気を使っていたようです。作品自体がコメディなので、アデリーを愛すべき戦闘員のキャラクターに仕立てていくのか、憎むべきキャラにしていくのか注目していきたいところです。まあ、最後のトリス王国との停戦交渉を見る限りはアデリー以外のヒイラギ側の人間は比較的マトモそうで、アデリーはポンコツなだけなのかな……?
これまでの5巻まではアリス、スノウ、ロゼ、グリムがヒロインとしてアリスが少し進んでるかぐらいの同じくらいの存在感でしたが、6巻から作品のヒロインがアリスとバイパーちゃんの2大ヒロインになった感があります。アリスは六号の相棒として、バイパーちゃんはこの作品では珍しい清純派ヒロインとして大活躍しています。個人的に2人を推しているので今後が楽しみです。
グレイス王国といえば王女のティリスが結構いじられているのですが、6巻ではそのいじりが激しいように見えました(笑)その異常なまでの偏愛が度肝を抜いた戦闘員十号も登場します。ぜひ注目して見ていってください。あと、真っ黒です。

延期があり、あとがきにも、前述の編集者さんのツイートにもあるように戦闘員6巻は難産だったようですが、新しい組織が現れたり、バイパーちゃんを含めた新しい笑いも生まれたりと非常に今後が期待できる1冊となりました。アニメ化もあり、今後の「戦闘員、派遣します!」に注目です。

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2020.09.01 21:00  2020.10.09 03:44